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コラム 「今月のコラム」 須田秀規

須田経営相談所

健康な会社経営を支える町医者

 車窓から見る田園風景もいつの間にか色合いが豊かになり始めて、日ごとに春らしくなってくるこの頃です。この時期は年度末の報告書の整理に追われるのですが、今年度は、診断士仲間と「農産物直売所の実態と課題」という調査を行い、ようやくその取りまとめを終えたところです。調査は県内28箇所の直売所を訪問して、実際に直売所を運営されている生産者の方々から直接お話をうかがい、販売の専門家として課題を抽出し提言を整理するものです。私もよく夫婦で農産物直売所を利用しますので、今回の調査研究には喜んで参加しました。
 県の統計によると、農産物直売所数はH12-13年の246施設をピークに減少に転じ、この数年はおよそ239施設で推移しています。一方、直売所の販売額は年々増加しており、年商1億円以上の直売所数も36箇所と前回調査より5箇所増加しているということです。直売所が増えてあちこちで新鮮な野菜を安く買うことができるのは、消費者にとって楽しみな事です。しかし、直売所自身にはこの先どのような変化が待っているのでしょうか。

 栃木県では、豊富な農産物資源と豊かな農村環境を活かし、「とちぎの食育推進プラン」を推進しています。直売所は生産者と消費者との交流促進拠点として期待されているわけですが、直売所数が頭打ちになっている背景に、年間数箇所の開業の裏側で業績不振で閉鎖を余儀なくされる直売所も増えつつあるのです。また、全体の売上が順調に伸びている裏側では直売所間の格差拡大も明らかです。大規模な運営をしている直売所では顧客の要望に応えるために市場から商品を仕入れることも少なくありません。一方、地域の生産者主体で運営している直売所では、ほぼ全てが後継者不在・地域産物による品揃えの限界を深刻な問題としながら手をこまねいています。

 私自身は、大規模な運営を進める直売所よりも、地域の生産者の方々が集まって運営している直売所が好きです。みすぼらしい店構えだったり、お店の中が暗かったりしても、生産者の顔写真が張ってあったり、手書きの商品説明があったり、おいしいお漬物やお味噌など、スーパーでは味わえないわくわくするような楽しみがあるからです。
今回の調査を行って、「このような直売所はいずれ姿を消すのかもしれないなぁ」と、感傷的な思いもぬぐいきれませんでした。ちょうど、郊外の大型スーパーが近所の商店街に取って代わったように、直売所もこれまでの草創期から小売業業態への進化と淘汰への道を踏み出し始めたようです。

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