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片岡孝夫(株式会社山水閣代表取締役) × 旭野好紀

旭野好紀の成功者インタビュー
片岡孝夫(株式会社山水閣代表取締役) × 旭野好紀
2009年4月16日
旭野:それではインタビューをさせていただきます。
最初に片岡社長の生い立ちをお聞かせ下さい。
片岡:生まれはこの那須町で、高校は作新学院です。そこから千葉の大学に行きました。でも、大学時代は遊びすぎて、退学してしまったんですよ。
旭野:え~!もったいない。
『「こんちくしょうパワー」で超実力主義の企業に』
片岡:学生時代は、仕事と遊びの境目がなくて、楽しいことを仕事にしてた状態なんですよ。学生ベンチャーっていう言葉もなかった頃ですよね。学生企業っていう感じでした。
旭野:学生が会社を起こすっていうことですね。
片岡:学生時代そんな感じで、父と母がこの旅館をやっていて、最初は本館1つしかなかったんですよ。私は学生時代遊びすぎて、旅館を継ぐ気もなかったんですよ。
それは、家を旅館業に取られたという感覚がありまして、生涯私が両親と一緒に食事をしたのがたった4回しかないんですよ。その4回のメニューも嬉しかったから、覚えているんです。それだけ、家族を取られたという気持ちが強かったんですよ、旅館業に。経済的にも豊かじゃなかったし、かなり厳しい状態でした。
だから、旅館を継がずに学校も中退して学生時代にベンチャーの仕事をしていて、そちらに興味がありましたから実力主義の会社に行きたかったんですよ。60の企業を受けて、その当時、超実力主義と言われていた大手通信会社に、中途採用で採っていただいたんですよ。そこで、かなり鍛えられましたね。そこの会社に入社できたという自分への自負と、自分は試されているという「こんちくしょうパワー」で働いていました。その会社の実力主義というのが自分に合っていて天職と思えました。初月の給料が78万円だったんですよ。アルバイトも含めた700~1,200人の社員の中で、売上順位がベスト10に入ってきたんですよ。それが入社してから3ヶ月目だったんです。
旭野:お~!すごいですね!!
『やりたくないことはやらず、やりたいことだけをやる』 『やらないルール』
片岡:それはもう天職ですよね?
旭野:天職ですね!!
片岡:それから1年たったときには、マンション買っちゃおうかなと思いました(笑)
旭野:そうですよね。買えちゃいますよね。
片岡:そんな状況で過ごして、2年半後父が亡くなったんですよ。そして、母が一人で旅館をやっていたものですから、これから続けるにしても辞めるにしても、辞め方が大切なものですから、旅館を潰しに一時的に帰ってきたんです。3ヶ月で綺麗にたたんで、その当時の会社にまた戻ろうとしてたんですが、甘く考えていましたね。
旭野:その時はまだ、前の会社に戻ろうとしてたんですね?
片岡:そうなんですよ。天職だったものですから。しかし、3ヶ月では、お店をたたむことは難しかったんです。
お店をたたむにしても費用がかかるものですから。そして、どうせやるなら自分のやりたいことだけやろうと思ったんです。それまでは、団体様のお客さま、個人のお客様、法人のお客様、学生のお客様と、ターゲットは絞らず何でもありだったんですよ。
しかし、どうせ潰すならやりたくないことはやらず、やりたいことだけをやるというのが、旅館に携わった時に一番最初に決めたことなんです。旅行代理店との付き合いもあってそこからお客様を紹介してもらってたんですが、旅行代理店に営業に行っても施設的なもの、サービスレベルなど総合して、「山水閣にはお客様は紹介できないよ」と言われる状況になってしまったんですね、要は非常にひどい状態だったんです。そこで、旅行代理店に頼るのではなく、これからは来てもらったお客様に評価していただきたいと思いました。
そしてはじめたのが、「やらないルール」というのを決めて那須街道に一つも看板を出さないことにしたんです。

成功者インタビュアー
旭野 好紀(あさひの よしのり)
トチギジョブ運営会社
アサヒノ広告株式会社
代表取締役社長
『大切な方と大切な時をお過ごし下さい』
旭野:確かに看板なかったですね。
片岡:もともと知っているお客さまだったら、看板がなくても山水閣を知っているわけで、そういう旅館にしたかったんですよ。旅行代理店とのお付き合いも一気にばっさり辞めたんです。そして、団体様のお客様はとらないようにして、個人のお客様にゆっくりしていただきたかったので、当時、カラオケですとか、コンパニオンですというのを一切取りやめることを決めました。
それを決めることで、個人のお客様を大切にしていきたいと思ったんです。今までは、お客さまのニーズに応えようと何でもしてたんですが、それをやればやるほど、お客様と焦点が合わなくなるんじゃないかと思ったんです。旅行の動機付けで多いのが記念日等なのですが、その大切な記念日に隣でガヤガヤ宴会をやっていたら、お二人のニーズには合ってないですよね。
そこで、焦点を合わせやすく、動機付けされやすい宿泊施設にしようと、『大切な方と大切な時をお過ごし下さい』という旅館にしようと決めたんです。それが12年くらい前です。そういう風に、やりたくないことをやめて、やりたいことをやっていたらだんだん楽しくなってきちゃったんですね。
旭野:はい、とても楽しそうですよね。
片岡:やりたくないことはやらないと決めたら、やるべきことが見えてきたんです。やるべきことが見えて、それが好きか嫌いか、正しいか間違いかという4つのものさしで判断していくんですけど、私はそれが大好きだしそれが私にとって正しいわけです。そういうことにちょっとずつ気付いて、どうせだったらこの旅館を一番にさせてあげようと思いました。
旭野:そして今のこの山水閣があるんですね。
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