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コラム 「今月のコラム」 須田秀規

須田経営相談所

健康な会社経営を支える町医者

 毎年数か所の「創業予定者」を対象にしたセミナー講師を務めます。これまでの創業予定業種は「小売業」が主体でしたが、近年は「飲食」「美容サービス」「士業」、はては「農業関連」など、業種が多様化しているのに加え、定年を機会に創業にチャレンジするなど年齢層も幅広くなってきました。定年後に趣味や得意分野を生かして、小さくても生甲斐となる事業をマイペースで営む、そんな生き方ができる時代です。
 そんな折、中小企業団体中央会の主催するセカンドライフビジネス支援講演、落合恵子さんの「自前人生のすすめ~第二の誕生日~」を聞いてきました。セカンドライフビジネスとは、前述のような団塊の世代の方々を対象として第二の人生に「創業」という選択肢を加えて、豊かなセカンドライフを実現しようとするもので、栃木県としても地域力強化の一環として推進しているテーマです(同名の仮想区間とは違います)。
 落合恵子さんと言えば、私にとって思春期の深夜に一人ラジオで聞く甘い声の「おねいさん(レモンちゃん)」という、甘酸っぱいイメージがあったのですが、実際にお話を聞いてみて、そのパワフルな内容にど肝を抜かれました。開口一番『創業とか起業とか言うものは人からとやかく言われてやるものではない』と突っぱね、『理念なき創業はない』、『志なき起業はあり得ない』、『人は私を幸運だったと言うかもしれないが、幸運を呼び込む努力をしている』 と切って捨てる一方、『がんばりすぎないで、自分のペースで』 とやさしく語りかけられ、単純な私はどっぷりと「落合恵子ワールド」に浸ってしまいました。女性であることや出生の経緯などによる不利(差別)を抱えて社会に対峙してきた落合恵子さんにとって、起業とか事業は「ビジネス」ではなく「運動=社会活動」なのですね。彼女の「創業体験」は演題の「自前人生」の通り、彼女が「自分で切り拓いてきた」軌跡なのだなぁ、と心を打たれました。

 実は、今回の講演はセカンドライフビジネス創業の支援を仰せつかり、その下調べ位の気持ちで参加したのでした。創業をアドバイスする仕事はそこそこ数をこなしているのですが、ついついノウハウを伝えるだけのルーチンワークになっていたような気がします。「理念なき創業はない」「志なき起業はあり得ない」と言い切る迫力を教わりました。「講演後質問者がいないようなら率先して質問する」という、気の重いお役目も負っていたのでしたが、コーディネーターの高橋先生の仕切りで難を逃れました。でも、「セカンドライフビジネス創業を支援するものとしての心得を教えてください」なんて質問したら、叱られたかなぁ。いっそのこと、そんな間の抜けた質問をしてレモンちゃんに叱られたかったなぁ。

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