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コラム 殿塚麻美

コラムニスト 殿塚朝美

後継者サポートオフィス

経営後継者の方々が自らの人生を生きるために、適切なサポートを提供し続けます。

「事業承継の形態について」

こんにちは。後継者サポートオフィスの殿塚朝美です。間もなく梅雨も明け、暑い季節がやってきますね。変わりやすい天気、体調には十分お気を付けください。

さて、前回は事業承継対策と相続税対策は全く別物です、というお話をさせていただきました。
相続は、受け取るものが土地とか現金とかそれだけで価値が明確なものですので、後継者が「受け身」の状態でも何ら問題はありません。
しかし事業承継では、生きている事業を受け取るわけですから、受け取る人によって価値が上がりも下がりもします。
受け取る人によって価値が変わってしまうのです。
事業を受け取る人が、「受け身」でいるのと、「積極的な姿勢」でいるのでは、結果がまったく変わってきますので、この部分はしっかりと認識していただきたいと思います。
事業承継対策には様々な手法がありますが、どんな対策を講じるより前に、まずは後継者自身がこのことをしっかり認識しておくことが重要ですので、今回も改めてお話させていただきました。

今回は、経営者、つまり事業を譲る側の視点で少しお話させていただきます。
事業承継には形態があります。これは当たり前のことですが、改めて書き出してみると、、、まずは「息子・娘への承継」、それから「親族への承継」、「社員への承継(EBO・MBO)」、「他社への承継(M&A)」、そして「社会への承継」と5つの形態です。
息子・娘への承継、これは中小企業の事業承継の王道だと思います。なぜなら資産の件があるからです。
他人に資産を渡すというのは対価が発生しますので、なかなか難しい場合が多いです。
また、借金がある場合は経営者が個人保証をする必要がありますが、他人が億の連帯保証をするというのは、なかなか厳しいですよね。
しかし、息子・娘への承継が難しい場合は、親族への承継も考えます。叔父や甥への承継ですね。これも息子・娘への承継と同じようなメリットがあります。
親族への承継も難しいようなら、社員への承継です。実際、社員に譲りたいという経営者が増えていることは確かです。
なぜならば、息子が継がないというケースが増えていますし、逆に、息子よりも優秀な社員に任せたいという経営者がいることも事実です。
しかし、社員への承継はなかなか簡単にはいきません。それこそ、何年も前から準備をし、多くの課題を一つ一つしっかりと解決していく必要があります。
(詳しくは改めて書かせていただきます)
この社員への承継もダメならば、他社への承継を考えます。M&Aなど、他の会社に譲るということですが、これも今は可能性が増えています。
ヘタに継ぎたくない息子に無理やり継がせるより、基盤のある会社に売った方がよっぽどいいということで、これも一つの事業承継の形態として考えられます。

親族も社員も、他社への承継もダメな場合ですが、最後に社会への承継という選択肢もあります。
これは、つまり、会社を清算するということです。会社を清算するというと、経営者の中には「負け」だと捉える方もいますが、決してそうではありません。
後継者がいない中、事業が厳しい状態でもとりあえず続けてやっていたら、どんどん苦しくなって疲弊していきます。
銀行も貸してくれなくなり、親戚から借金、で、借りまくってどうしようもなくなって潰れる、逃げる。とんでもない迷惑です。そこまでするなら、この社会への承継、社会へ返す、ということを考えていただきたいと思います。
会社を清算するということも、経営者の立派な仕事ですので、これも一つの事業承継として捉えてください。

ここまで、事業承継の形態についてお話しましたが、要は企業にとって最も望ましいのは何なのかを、ゼロベースで考えることが一番重要だということです。
息子がいるから息子に、娘だから婿をもらう、とか、、、本当にそうですか?本当に企業にとってそれが最も望ましいことなのか。
経営者の最後の大仕事である事業承継、先入観や固定観念を捨て、『企業にとって最も望ましい選択』をゼロベースで考えていただけたらと思います。

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