いざ転職や退職を考えたときに、何から始めたらいいのか?どんな手続きがあるのか?など、さまざまな疑問や不安などが出てくることと思います。ここでは退職の意思表示から円満退職が出来るまでの基本的な流れをまとめました。

1.退職までのスケジュール

①退職の意思表示(約2〜3ヶ月前)

まず会社の就業規則をよく読んで、退職手続きに関して確認しておきます。
退職時期を決めたら、その約2〜3ヶ月前に、会社に退職の意思表示を行います。
現在の会社の繁忙期は避けるようにしましょう。あなたが抜けることにより、他の人の業務に負担をかけるようでは、円満退職は望めません。
退職の意思表示はまず上司に行います。身近な人に先に伝えてしまって、周囲から先に上司の耳に入ってしまっては、印象が悪くなってしまいます。
具体的な退職日などは、仕事の引き継ぎや取引先への影響などを考え、上司と相談して決めます。

②退職届の提出(約1ヶ月前)

退職日が決まったら、会社への正式な意思表示として「退職届」を提出しましょう。
「退職届」は退職を決定したので届け出いたします、という届出書類です。正式に受理されればその時点で退職が確定します。
期限は1ヶ月前にしている会社が多いと思いますが、会社の就業規則の記載してある書式や期限に従い提出して下さい。

③仕事の引き継ぎ(約1ヶ月前)

退職届が受理されたならば、会社から退職の公表がされます。ここからは引き継ぎや残務処理に取り掛かります。
引き継ぐべき業務や事柄を整理し、退職の1週間前までには終わるようスケジュールを立てましょう。
2週間前位からは、後任者を連れ取引先などの挨拶回りを行います。必ず後任者を立てて紹介しましょう。後々につなげるためにも挨拶回りは大切な仕事です。

④お礼の挨拶状を出す準備(1週間前)

取引先や在職中にお世話になった人たちにお礼の挨拶状を送りましょう。
普段からお世話になっている人だけでなく、疎遠になってしまった人や名刺交換しただけの人にも送りましょう。これをきっかけに関係が復活したり、新たに人脈が広がるかもしれません。
出来た挨拶状は退職の前後に投函しましょう。
関係性などによっては、メールや電話で対応する場合もあります。

⑤退職日当日

退職日には、身の回りの整理をし、私物と返却すべきものを整理しましょう。

<会社に返却するもの>

・健康保険被保険者証
・社員証やIDカード、社員バッジなど
・制服・作業着(レンタルの場合は、クリーニングして返却)
・通勤定期券
・名刺(自分の名刺および取引先から受領した名刺)
 ※仕事を通じて受け取った名刺も原則として会社の所有物のため)
・会社から貸与されているもの(パソコン、携帯電話、鍵、備品等)
・社費で購入したもの
最終的に会社にチェックしてもらいましょう。

<会社から交付・返却してもらうもの>

・雇用保険被保険者証
・源泉徴収票
・年金手帳(基礎年金番号通知書)
・離職票1,2
・健康保険・厚生年金保険資格喪失連絡票
・退職証明書

「源泉徴収票」は、転職後の会社に提出して年末調整をしてもらう際や確定申告の際に必要になります。そのほか、保育園の入園手続きや住宅ローンを借りる際にも必要となります。
「離職票」は、失業保険を受給するために必ず必要となる書類です。会社によっては本人が請求しないと発行しない会社もあるので、必要がある場合には事前に必ず伝えておきましょう。
「健康保険・厚生年金保険資格喪失連絡票」は、退職後、国民健康保険に切り替えの手続きをする際に必要となります。健康保険・厚生年金の資格喪失日は退職日の翌日です。
「年金手帳」や「雇用保険被保険者証」は、入社した際の手続き完了後、返却してもらっている場合もありますが、在職中にずっと会社が預かっていた場合には返却してもらいます。

全てが終わったら、上司や職場、お世話になった人たちに挨拶をしましょう。